少し前に駅のホームに、"You are what you buy."と書いたクレジットカードの広告があった。
それを見て、
You're not your job.
You're not how much money you have in the bank.
You're not the car you drive.
You're not the contents of your wallet.
You're not your fucking khakis.
You're the all-singing, all-dancing crap of the world.
と云う『ファイト・クラブ』の一節を思い出して、プロジェクト・メイヘム!とか思っていた。
そして、最近更新頻度が上がっているblogを今日も書いてみたらんと思って、最近買ったものを書こうとしている私は、タイラー・ダーデン風に言えば「消費社会に去勢された屑」ということになるのだろうか。
ちなみに私は、『ファイト・クラブ』が非常に好きな映画のひとつなのだけれど、これを好きだと公表することには『恋する惑星』が好きだと公表することに感じるような抵抗を感じない。
それはおそらく、『ファイト・クラブ』が大手レンタルビデオチェーンなどでは「カルトの名作」―初めてこのフレーズを見たときには驚愕した。だって、私はこの作品が名作だとは確信していたけれど、それにカルトのという限定がつくとは考えたこともなかったからだ―と言われているように、『ファイト・クラブ』好きはそもそも何かしらのポジティブな意味づけを与えられることが少ないように思っていたからだ。
けれど、そういった傾向は、言わば卑屈に裏返しにした差別意識に他ならないのであって、どんな映画でも好きだ、とどんどん公言していったろうかしらん、というのは既述の通りである。
さて、私が買ったものの話だった。
所詮はそれらのものを買った私、ではなくて、私が買ったもの、でしかないのだけれど。
まずは、直火式のエスプレッソマシン―マシンと言っていいのだろうか―。
購入したのは、ベタにビアレッティ。
珈琲店で購入したところ少し割高になってしまったのが若干の後悔。
それでも、本当はAlessiのクローム具合がええなあ、とも思ったけれど、直火式に1万円以上出すくらいなら、コーヒーメイカーを買うよ。
今まではペイパードリップで淹れていたけれど、これでエスプレッソ飲み放題じゃ、と思っていたけれど、やはり専門店なんかで飲む機械式に比ぶれば風味は落ちる。
それでも、家で飲める悦びはうれしい。
何せ自分、ヒキコモリですから。
次は、BOBLBE-Eのバックパック。
ハードシェルタイプの、あの、亀の甲羅みたいなやつ。
自由が丘の店に行ったところ、外に実際に亀が飼われていて笑った。
購入したのは、MEGALOPOLISが予想以上に大きく、滑稽にならない自信がなかったので、ひとつ小さいPeoples Delite。これで自転車に乗っているときの背中の蒸れが軽減される。
切実な問題なのだ。
シンプルに黒と思っていたけれど、意外とシルバーも良かったので、シルバーにした。
ステッカーでも貼ろうかと思ったけれど、家にあったステッカーが、恵比寿の「ぶた屋」に行ったときに貰った若干リアルなぶたのシールしかなかった。
これでも良いか。
本当ならば、好きな言葉でも、例えば"Look if you like, but you will have to leap."でも入れたいと思ったけれど、実際にこの奇妙な形状をしたバッグを背負っていると、それって空飛べるの、とか聞かれるらしいので、やめておこうかとも思う。でも入れるかもしれない。
また、ポスターフレームも買った。
引越す前も一時期以降部屋のポスターが煩くなったのですべて引き剥がしていて、今の部屋でも全く貼っていなかったけれど、大きく壁が開いたので、据え付けた。
これから毎日、壁には熱唱する大きなヘドウィグが居る。
最後は、漫画。
『ナチュン』。
富山大学人文学部准教授兼漫画家という不思議な作者だ。
漫画も少し奇妙で、
事故により脳の左半球を失った天才数学者が、イルカの生態を延々映したビデオを「数学論文」として発表。学会では困惑と失笑を買っただけだったが、図書館でその映像を見た主人公の青年は、奇妙なトリップ感覚とともに神の啓示のようなひらめきを得る。
(http://book.asahi.com/comic/TKY200703140195.html)
というぐいぐいと引き込まれる冒頭から始まった後に続くのは、主人公の青年がフィールドワークのために訪れた沖縄での日々。
アウトローの漁師や、言葉を解さない女性との日常。まさに、磯の香りが漂ってきそうな日常と、SFとが完全に渾然一体となっていて面白い。
『AKIRA』で金田が人工サンマをガシャガシャ/ぐァつぐァつと食べているシーンのような風景が続く。
2巻で、何かが起きそうな気配はあるけれど、これから先がとても気になる。
おもろいよ。
以上。
私が買ったもの。
それだけ。
